4章についてつらつら
・対称性を持つハミルトニアンでよく表せている系のエネルギー固有状態が、その対称性を失っている(対象操作の固有状態でない)ときは、そのエネルギーを持つ状態が多数あり、縮退している。これは4−2なんかで語られていることの対偶だが、非常に威力のあるステートメントだと思う。常磁性→強磁性への自発的対称性の破れなんかはこの好例だろう。常磁性のバルクは明らかに(ほぼ)等方的だが、温度を下げていったときの基底状態は無数(全部同じ方向でどこでもよい)存在し、どれも回転対称性を持たない。
・時間反転操作は基底に対してオーダーメイドされるべきものだ。ある基底で系を記述しようと思い立ったら、まず時間反転=UK (U:ユニタリー演算子、K:複素数の共役を取る演算子)と置き、その基底に対する時間反転の働きを物理的考察から要請し、その系で表してる限りにおいて同値になるような演算子でUを等置してやればいい。そこから、系の時間反転に対する変換性は論じることが出来る。
・対称性が完璧に成り立っている系なんて存在しないだろう。座標変換に関わる対称性やパリティ反転対称性なんて多くの系で破棄されるべきものに見えるし、磁場がきっちり0である状態なんて考えられないからKramers縮退さえ厳密には言えない。にもかかわらずこれらの理論が現実をうまく説明するのはなぜか。つまるところ、わずかに非対称な状態と対称な状態が連続的に移り変われるということなのだろうが、よく考えれば不思議なことだ。なぜ数学的に厳密でない(ような気がする)自然が、厳密な論理体系に落とし込めるのだろう。なんか頭がこんがらがってきた。寝よ。
新しい仲間が増えました。
岩波講座現代物理学の基礎〈5〉統計物理学 (1978年)恐ろしくムズカシ楽しい本です。10p/6hとかありえん。